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袖を通すと背筋が伸びるもの

松の内も今では7日まででしょうか。15日までの地域もまだあるかもしれませんが、この辺りでは7日で終わるようです。
今日は少しだけお正月気分に戻ってかしこまります。

昨年後半はおめでたいイベント事が多く、その度に着物に袖を通しました。忙しかった事もあり代わりに歌舞伎鑑賞はお休みしていたのですが、歌舞伎に行く時には紬が多いので久々の絹の着物はちょっと着付けが大変。着物のいろはも全く分からない頃に、良い絹の着物は重く滑る、と教えられましたが今日のお着物はまさにそれを体感するような訪問着です。そして私にはちょっと大きめ。何度か着て洗いに出す時に自分サイズに仕立て直す予定也。

さてこの訪問着。渡英直前に母が餞別にとプレゼントしてくれました。たった1年で帰国予定でしたが向こうで着る事があるかもしれないから、と。ところがどこをどう間違ったのか、我が家に届いたこの着物を渡英前に母に見せねばと家に持って行った時に、そのまま置いて帰ってしまったらしいのです。たとう紙に包まれたものがいくつか一緒に出ていたので母もそのまま着物ダンスに仕舞ってしまい海を渡ることにはなりませんでした。てっきり持って行ったと思っていた私はロンドンの家で見つからないこの着物を想ってどれだけ地団駄踏んだことか。「引っ越しの最中に無くなった」とまで思っていたので(ベッド1個無くなった方もいるのです。。)帰国後、母の着物ダンスからこの着物が出てきた時には狂喜乱舞でした。
そして昨年11月末、靖国神社で式を挙げる友を祝うために初めて袖を通した訪問着。美しい花嫁さんのオーラに便乗して私も素敵な(?)奥様風情で楽しませてもらいました。

袖を通すと背筋が伸びるもの_d0041074_10335685.jpg
↑後日談:これおしゃれ袋帯ですね。本来は結婚式につけまちぇーん

柄は竹に雪。時期を選ぶ柄ですがこの訪問着は私の宝物のひとつです。帯は母のものを半ば強奪状態の源氏香柄。帯締めは道明を新調。鳩羽色です。母からもらった道明が何本かありますが、どれも母の若い頃に購入したものばかりでちょっと落ち着きの無い色ばかり。使ったことがなかったのですが、本当によく伸びますね。家にあるものも使ってやらないともったいないと再認識しました。

ところでロンドンで着物を着た回数ですが、アスコット競馬場に行った時に着た母の若い頃のお着物と、最終日、ゴードンラムゼイの3つ星レストランに行った時に着た伯母からの結婚祝いのお着物の2回だけ。回数は少ないですがロンドン生活に素敵な華を添えてくれ一際大きな思い出になっています。
by wakka-w | 2010-01-14 10:08 | 誘惑

家族(非人間)の移ろいゆく生き様に立ち会えた事を感謝する日々。


by wakka-w
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