フレンチブルのワンコそば in Japan

いっちゃん逝く

実家のいっちゃんは白くて大きな賢い犬であった。野良犬で畑で遊んでいたのを祖母が連れ帰って来たので祖母の犬である。その頃はまだ子犬だったように記憶しているけれど、私はもう大学生で実家を出ていたのか、高校3年生で実家を出る予定だったのか、実はあまりいっちゃんと遊んだ記憶はない。
弟の方がいっちゃんと遊ぶ時間が多く、いっちゃんは弟に大変なついていた。確か眉毛をマジックで書かれていた記憶がある。眉毛を書かれたいっちゃんは大きな口を開けて笑っていた。

しばらくして同じく野良仲間の子犬がご近所さんちで飼われるようになった。いっちゃんは大変賢い犬だったので、夜中にうちを抜け出してはその野良犬の所へ遊びに行っていたらしい。田舎故の大らかさか、いっちゃんはよく家を抜け出しては夜通し遊んでいたようだけど、それでも朝、門を開けるといつもいっちゃんは門の前で待っていたとよく聞いた。

やがて弟も大学生になり実家を出、両親も赴任で神戸、東京をまわるうちにいっちゃんもだんだん年を取っていった。世話は変わらず祖母がしており、たまに家族が帰省する時にはそれぞれがいっちゃんへのお土産にオヤツや缶詰のご飯を手にしていた。いっちゃんは都会の香りがする犬のオヤツを大層喜んでくれていたように思う。
近所のいっちゃんの野良仲間だった犬はいっちゃんより随分先に逝った。

ブルがいっちゃんに会ったのは一度だけ。体が大きく野良育ちの年老いたいっちゃんは甘ったれのブルには一瞥くれるだけで、ブルも都会っこらしく野良育ちの野趣溢れるいっちゃんには気圧されたまんま。そのまま静かに家の中に入って行くブルを見て、外暮らしのいっちゃんはどう思っているのだろうか、とちょっとだけ気まずく思った記憶がある。
私のいっちゃんの記憶はここで止まったまんまだ。

祖父が逝き、犬と猫とだけの一人暮らしを始めた祖母はだんだん惚ける時間が増えており、近くに住む伯母や月に一度は帰省する母がその都度サポートをしている。いっちゃんは母が帰省したこのタイミングで逝った。最期までお利口さんにいてくれたいっちゃんだったと思う。17歳、大往生だと思う。

すっかり上手に動く事ができなくなっていたいっちゃんは床ずれがひどくなっていたそうだ。女手が一つであれ二つであれ、とてもじゃないけれど動かせるような状態ではなかったらしく、また床ずれは早々簡単にケアできるものでもない。最後は安楽死させてやろうという話になった。安楽死に抵抗がある人がいるかもしれないけれど、私は安楽死に賛成。どんなに必死に介護しても治らないものは有る。どんなに一生懸命世話をしているといっても24時間ずっと側についてやってずっと体を動かしてやることなんてできない。ましてやその痛みを取り除いてやることなんて無理。
思春期からずっとべったりだった自分の猫を看取った私はその事を良く知っているから、いっちゃんの様子を聞いた時も安楽死させてやるべきだとすぐに思った。

私は電話口でいちの様子を聞いていたけれど、仕事のある弟がいっちゃんのためにすぐに帰省したのは本当に良かったと思うし有り難うと言いたい。結果、いっちゃんは信頼できる獣医さんの元へ家族と一緒に行き、安らかな最期を迎えることができた。母と祖母では獣医さんの元へ連れて行くこともできなかったのでこの週末父が帰ることになっていたのだ。でもやっぱりいっちゃんは最期弟に会いたかったと思う。弟は帰省したその晩、ずっといっちゃんの側を離れず体を綺麗にしてやりずっといっちゃんを抱いてやっていたそうだ。弟に体を預けたいっちゃんはここ最近見た事がないほど安らかだったと母が言っていた。そしてその翌日、いっちゃんは空へと旅立った。

ペットが死ぬのは何度経験しても辛い。でも同時にようやく痛みやしんどさから解放されたかなと思うと心も落ち着く。
いっちゃん、向こうに行ったらロデムとチムニーに宜しくね。うちの甘ったれブルさんをしっかり守ってやってちょうだい。

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いちに。今うちで咲いている花を手向けます。
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by wakka-w | 2010-06-26 12:49 | ブルち 関係ない | Comments(4)
Commented by meeka at 2010-06-28 13:57 x
涙してしまいました(T_T)
安らかに最期を迎えられてよかったですね。
私も安楽死は賛成です。まだそういう場面にでくわしていないけど、もしもずーっと介護が必要、寝ているだけであとは待つだけ、みたいな状態になったらお互いhappyじゃなくなりますもん。

だから最期にこの子たちが「この家で幸せだったよー」と思えるように日々過ごしたいと思っているのです。
たまに「無視の刑」をしてますけど。ぷぷ。
Commented by wakka-w at 2010-06-28 17:29
>meeka様
ありがとうございます。いちも浮かばれます。大きいシトだったので獣医さんの元へ連れて行くのも男手が必要だったのですが、弟が漢気を見せてくれました。最後、いちにしてやれる最大限のことができたのはやはり弟が帰省したからだと思います。いっちゃん、最後に弟に会って本当に嬉しかったと思う。全ての物事が凄いタイミングで進んで行ったのでいっちゃんが弟を呼んだんじゃないかなぁ。あっぱれ弟。私は全くもって弟を褒める人間ではありませんが、お前は幸せになる。
「最善を尽くす」というのは飼い主の主観であって結局動物本人がそれで幸せか、って言ったらまた別なんですよね。私の最愛の猫も同じようにどうしようもなくなって安楽死を選んだのですが、処置が終わった後の安らかな顔を見ていると、「安楽死」もまた飼い主が愛するペットにしてやれることだな、と思いました。今だ夢に見て号泣するけど、それもまた飼い主の役目かなぁ。
ブルさんはもうほんと勘弁してくださいよ。もう飲み込めないようなでっけぇもん飲みこんだりとかそんな訳の分からんことするのとかナシっすよ。ちゃんと寿命でお願いしますよ。
Commented by まるの雇い主 at 2010-06-28 17:44 x
いっちゃんが亡くなったと聞いてビックリですが、イギリスに行ってる間に何となく逝くんじゃないかな、と思ってました。ママとTちゃんに見守られてあの世に旅立てたいっちゃんは幸せ犬やったね。
私が最後に見たときは、自力では立てなくなってたので、胴体にタオルを巻いて引っ張り上げてやっと歩ける状態だったの。おばぁちゃんではお世話も無理だったから、ママが帰ってくれてる時で本当に良かったわ。淋しくなるけど、いちの為には一番いい最後だったと私も思います。大往生やね。
大好きなTちゃんに抱かれて満足だったでしょう。合掌。
Commented by wakka-w at 2010-06-28 18:02
>まるさんの雇い主様
お帰りなさいー。気持ちの良さそうな天候の中で会が催されたようで良かった。Bさんのむちゃくちゃ幸せそうな顔が浮かびます。Wちゃんはクールビューティーかしらん。
いっちゃんのサポート、ありがとうございました。最後はかなりしんどい状態で、動かそうとすると噛むようになっていたみたいです。Tも本当は丸亀の先生に診てもらうために帰省したんだけど、状態が状態で先生にも安楽死を勧められたって。その週末にはブルジイが帰省して安楽死をさせるために先生の所へ連れて行くことが家族会議で決まっていたんだけど、いっちゃんが一番好きなTに看取られた今回の形がベストだったと思います。Tもちょうど休みが取れたとかでタイミングが凄かったです。いっちゃんが呼んだんだと思う。
今はロデムとチムニーと一緒に眠ってるって。皆自分のことは自分でできるコ達ばかりだったから(ロデムはブルに近いかな)、空からブルさん見ては「最近の若もんはー」って言ってそう。見守ってやってて欲しいなぁ。

一番上が海水魚のライム坊や。次のお兄ちゃんも海水魚のインディ。。そんなお兄ちゃん達が居る我が家のブルち生活日記
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: 今日の点取り占い :
 
そろそろ
浴衣を新調するなら
探しだす時期が
やってきたな。


6点


毎年チェックは
しているが
着るのも
年に1度だもんなぁ、
今や。

どっか着て楽しいとこ
ないやろか。

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