フレンチブルのワンコそば in Japan

鈍の訃報

「鈍」と書いてニビ、鈍色(にびいろ)のニビです。

私の人生で一番大事にした猫は野良猫出身のチム二ー。ある日突然家の軒下に現れた白とグレーの斑模様の子猫は大変愛らしく、愛嬌も抜群で常に私の側に居てくれました。
実家はもともと猫に良くないウイルスだかなにかがいる土地だったらしく、私が大学生になって一人暮らしを始めた頃からチムニーも病を発症。いよいよという時に緊急帰省し、安楽死させてやりました。

ぽっかり空いた心は家族も同じで、その後はもしうちに助けを求める猫がいれば、うちのコにしようと母も思ってくれていた様です。でもタイミングが会わなかった子もいて(雨の中、たまたま出会って助けようと戻った時にはもういなかったとか)しばらく実家に猫のいない日が続きました。うちは常に猫が3匹くらいは常駐している家でした。

数ヶ月後、母のはずむ声を電話口で聞きます。どうやら新しい子がやってきたらしい。子猫でよく跳ねて宇宙人みたい!という話を聞き、居ても立ってもいられずにまたしても緊急帰省。それがニビとの初めての出会いでした。

うちに来た経緯を聞くとこれまた面白い。
親戚の住むマンションに突然現れたゴージャス野良家族。ペルシャの親を筆頭に親によく似た子猫が数匹、大変優雅な野良猫家族だったそう。可哀想な事にマンションの住人が引っ越しの際に捨てて行ったらしい、という話でした(呪われるがいい)。
なんとか保護しようと手を差し向けるものの、親猫は気品高く、子猫達も野良らしく警戒心の固まりで見事に野生に順応していたそうです。が、1匹だけ大変嬉しそうに手に収まった子猫が。
それがうちに来たニビさんでした。

本当にアホの子やねぇ、と子猫を撫でつつも、チムニーが生まれ変わって来てくれたみたいで本当に嬉しかったです。人見知りをしないその子猫は、子猫だったチムニーが家の軒先から顔を出してこちらを見た時の事を鮮明に思い出させてくれました。

やってきた経緯もさる事ながら、既に他の武勇伝も持っていたニビ。
子猫は、最初の数日間、家を覚えさせるために外には出しません。ペルシャミックスと思われるゴージャス子猫も例外ではなく、私が戻った日はまだ家の中でのみ生活していましたが、トイレはなんとなく分かるらしく、母が笑って言うには「夜中にお腹が痛くなって頑張ってトイレに行こうとしたらしい。ウンチが点々とトイレまで続いていたのよ。」。

いろんな意味でアホの子は寧ろそれが本当に可愛いと思えるような性格の良さで、飼い主に捨てられたにも関わらず人を疑うことを知らず、突然捕まえられて(自ら捕まったとも言う)やってきたうちにもすぐに馴染んだ様子。
名前はまだついていない、という事で、美大生だった私は次に来る子は色から名前を貰おうと、その子猫にニビ(鈍)という名を付けました。

ニビはその後、父と弟に「格闘猫にする」(強い子にしたかったらしい)と特訓され(?)、その父達の想いはどうやら届かなかったようですが、それでも幸せに可愛らしく、そしてゴージャスに育ちました。見かけは立派なペルシャ猫でオス故に体も大きく本当にゴージャス。でもアホのコなのでゴージャスなシッポにいつも枯れ枝やらなんやらを絡ませて帰ってくるようなコ。今までの猫は勝手に家に戻って来るにも関わらず、いつも誰かに玄関を開けてもらっていたようにも記憶しています。父が帰宅するとニビさんが待っていて一緒に中に入ることも。何より驚いたのは、歴代の猫は皆ドアを自分で開けるのにニビは自分で開けられず、いつも頭突きをしてゴーンゴーンと大きな音を立てては家族にドアを開けさせていました。本当に、本当にアホで可愛いコだったのです。

学生だったので、ニビとは長期の休みの日くらいしか会えなかったけれど、行く度に可愛い挨拶をしてくれました。そのうちに我が家に入った泥棒猫がうちのコになり、ニビが連れ帰った猫もなんとなくうちのコに。

泥棒猫は、元々ガリガリに痩せてお腹だけが樽のように膨らんだいかにも荒波を乗り越えて生きてます、という猫でした。野生らしさ全開の彼女は大変美しい顔をしていたので浅葱(あさぎ)と名付けましたが、ニビと反りが会わずいつも喧嘩ばかり。気の弱いニビが珍しく威嚇をしかける猫で、それでも彼女は本気の野良出身故、体の大きなオス猫のニビの威嚇にも負けず、ニビの顔が近づくと恐ろしく尖らせた爪をニビの顔めがけて繰り出すような女傑です。

しばらく緊張した2匹の生活は続きますが、それからしばらくするとニビが彼女を連れて帰ってくるようになります。彼女もまた野良出身ですが、こちらは餅のようにコロコロしたデブ猫ちゃん。同じく色の名前から菜種(なたね)と名付けますが、コロコロしているが故に美しい名前は家族に馴染む事無くいつの間にやら「コロ助」と呼ばれるように(注:女の子です)。
ニビはこのコロ助に夢中。一方コロ助はそこまでベタベタする事もなく、実は大変怖がりでうちにやってきた割には家族に姿を見せることも稀で、というか、近づこうとすると家具の下に隠れるのです。おデブちゃんなのに腹が床につっかえてガサゴソするのですが、それでも必死に隠れようとする姿で一躍家族の人気者になります。なによりニビが愛する彼女ですから。
コロ助と浅葱は女性同士、どうやら気が合うようで、最初はそうでもなかったようですが今ではすっかり仲良しのよう。

ニビのおかげで実家はまた猫が3匹いる家になり、大きな変化は無いけれど我が家らしい実家に戻りました。

それから数年、弟は大学生になり実家を離れ、両親も転勤。祖母と祖父だけの生活になり昨年祖父が他界。うちの猫達もどんどん年を取ってゆきます。

そして数日前のこと。お盆で帰省中の母よりここ10日程ニビの姿が見えないらしい、というメールをもらいます。ニビはおそらく16歳。10日も姿が見えないということはおそらくもう生きていないだろう。けれども。

猫は死に際に自分の姿を消すとよく聞きます。でもうちに居た歴代の猫達は皆家で最期まで過ごしてきました。あの甘えん坊のニビだけが死に際に姿を消すのはなんだか違和感があります。それに今年はこの暑さ。どこかに閉じ込められて暑さで苦しんだまま逝っていないだろうか、一人ぼっちで助けを求めたまま逝っていないだろうか、もうそれだけが心配でした。

そして一昨日。母からの電話でニビが見つかったとのこと。それは既に亡骸でしたが、庭の木陰で横たわっていたので、おそらく暑さから逃れるために木陰で一休みしたまま逝ったのではないかという話でした。苦しんだ様子もないからスーッと逝ったんじゃないかな、という一言で悲しいけれど安心もしました。
母も姿が見えないのを一番心配していたらしく、「天国で他のペット達が皆待っているのに、ニビだけ迷子になってどうするんよ」と思っていたそうです。ニビは最期までアホのコやねぇ。家で逝けて良かったねぇ。
でもちょうどうちの親の帰省の頃に合わせたなんて賢いコやったねぇ。

長年一緒に生活してきたイッちゃんやニビが逝っちゃうと、なんだか一つの時代が終わりつつあるような気がします。イッちゃんもニビもおそらくは寿命なので仕方ないことなんだけれど。。悲しいなぁ。

でもうちにはブルさんがいるからね。ブルもまたドアを開けて欲しい時に、手を使わずに頭突きするんです。ゴーンゴーンって。アホのコでしょ? ニビの後を継ぐアホさ加減で、ブルさんは大変愛しいコです。

実家の浅葱と菜種はまだまだ元気そう。コロ助(菜種)は他のコよりは若いですが、浅葱はおそらくニビと同い年。ガンを患っており、10年近く前にお医者さんにあと数年しか生きれないでしょう、と言われたコです。今ではガンはどこへ行ったのやら、まだ患っているのやら全く分からないくらい静かに幸せに暮らしているようで元気にやっているみたい。もしかしたら猫又になれるかもねぇ。シッポが割れて喋れるようになったらニビさんがどんな猫だったのか聞いてみたいところです。あとガンがどうなったのかも。

今更になって涙が出てくるよ。
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by wakka-w | 2010-08-13 11:11 | ブルち 関係ない | Comments(0)

一番上が海水魚のライム坊や。次のお兄ちゃんも海水魚のインディ。。そんなお兄ちゃん達が居る我が家のブルち生活日記
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: 今日の点取り占い :
 
焚き火の炎を
見ていると
ブルを思い出し
号泣。


4点


翌日腫れた目で
目が覚める。

数時間ごとに目は覚めたが
珍しく熟睡した
テントの中だったのに。

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